WE AIN'T FESSIN' (DOUBLE QUOTES) | GIGA SINGLES | HIPHOP MUSIC FOR THE ADVANCED LISTENER




WE AIN'T FESSIN' (DOUBLE QUOTES)

Label: ANTICON (2002)

Production: John Herndon, Jel, Mayonnaise, Alias, Sixtoo,
Odd Nosdam


1. More From June - Deep Puddle Dynamics
2. We Ain't Fessin' (double quotes) - Anticon
3. Pitty Party People - Anticon

前から噂になっていたTORTOISEのJOHN HERNDONとのコラボレーション曲が、シングルとしてリリースされた。DOSE自身ファンだというこうしたポスト・ロック勢との共作は、今後の彼らの行方を占う上でも重要な位置を占めるモノとなってゆくだろう。まあ、そんな邪知をあざ笑うかのように、彼らは至って自然体だが。

まずは、そのTORTOISEのJOHN HERNDONのプロデュースによる"MORE FROM JUNE"が凄まじい事になっている。DPDの面々のパフォーマンスも相変わらずタイトだが、この曲の主役はJOHN HERNDONによるプロダクションだろう。特に、SLUGに続いて登場するEYEDEAのパートにおけるドラム・プログラミングは、言葉を失う程。 2曲目の"WE AIN'T FESSIN' (DOUBLE QUOTES)"は、正にANTICONオールスターズ大集合といった趣。JEL、MAYO、ALIAS、ODD NOSDAMによる次々にスイッチしてゆくトラック上で、SOLE、DOSE、ALIAS、WHY?、PASSAGE、PEDESTRIANのマイクリレーが展開する。これこそANTICONといった曲で、真骨頂だ。個人的には、中盤の最高にドープな女性ヴォーカル・サンプル登場以降がハイライト。WHY?とDOSEの変態コンビがここでも際立っている。 ラストの"PITY PARTY PEOPLE"は、とにかく明るく爽やかなパーティーチューン。SOLE、DOSE、ALIAS、PASSAGEによるマイクリレーだが、こうしたメロディアスなトラックでは、最早DOSEの独壇場だ。

3曲を聴き終って感じたのは、単体でのアルバムも良いが、やはり彼らが一堂に会した際のエナジーは驚異的だ、という事。何とも言えぬマジックが働いている。これまでのようなコンピ形態ではなく、全員が絡み合うオールスター・アルバムを聴いてみたい、と思っているのは俺だけではないはずだ。ここに収められた3曲には、これまでの集大成的な側面もあるが、確実に進歩した姿も垣間見れる訳で、その思いはなおさらだ。アルバム、アルバム!




GIGA SINGLES

Label: ANTICON (2001)

Production: Jel, Mayonnaise, Alias, Odd Nosdam, Why?, Myself, Emynd, Controller7


1. We Ain't Fessin - Sole, Alias, Dose
2. Silence (poor me pt7) - Sole
3. You'll Know Where Your Plane Is... - Why?
4. Pen Thief - Buck65
5. Inherited Scars - Sage Francis
6. Outlook - Josh Martinez
7. Watching Water - Alias
8. Grimey Inks The Moment - Sixtoo
9. Ode To The Modern Woman - Dj Mayonnaise
10. Add - Sole, Dose
11. Attack Of The Post Modern Pat Boones! - Object Beings
12. Infomercial - Stuffed Animals
13. Eat - Odd Nosdam
14. Pedestrian For Vessel - Brandon
15. My Way Out Of A Paper Bag - Themselves
16. Heckles From The Peanut Gallery - Controller7

ANTICONの、レーベル・コンピ第2弾。

まず、ベスト・トラックはなんと言っても、SAGE FRANCISの"INHERITED SCARS"だ。DJ MAYONNAISEによるホーン・ループがドープなトラックもそうだが、やはり主役はSAGE。柔軟なデリヴァリーにエモーショナルなライム。とにかくドープで、この一曲のためだけにも、このアルバムを買う価値はある。次は、SOLE、DOSEにALIASというANTICONの顔が集った"WE AIN'T FESSIN"。彼ららしからぬ爽やか(!)なトラックで、特にDOSEがその歌うようなスタイルを最高の形で聴かせてくれる。DOSEの「ヒップホップ・ミュージックなんだぜ/痺れさせてくれよ」という一節に全てがある。THEM改めTHEMSELVESの、やたらとマッドな"MY WAY OUT OF A PAPER BAG"は、DOSEの独壇場だ。後半のエスニックな展開も含め、病んでいる。ALIASの"WATCHING WATER"も、タイトなドラム・ブレイクに美しいピアノがドープ。深すぎる。BUCK 65は"PEN THIEF"は、彼の水準レベルだが、SIXTOOの"GRIMEY INKS THE MOMENT"は、ドープ。ドラムが跳ねまくっている。

DOSEの変態的な要素だけを培養したようなスタイルのWHY?とPEDESTRIANによるOBJECT BEINGSの"ATTACK OF THE POST MODERN PAT BOONES!"は、とにかく人をナメたようなヴォーカル・スタイルがドープだ。WHY?のソロ"YOU'LL KNOW WHERE YOUR PLAIN IS..."もそうだが、最も好き嫌いが分かれるスタイルだろう。個人的には嫌いじゃないが、今後どれだけ幅を見せれるかが鍵だろう。SOLEの"SILENCE"、BUCK 65、SIXTOOに続きカナダからANTICONに加わったJOSH MARTINEZの"OUTLOOK"の2曲は”アルバム中の一曲”と言った感じで、しっくりこない。

前作と比べると、全体の質が落ちているのは否めない。特に、後半にかけてだいぶテンションが落ちてくる。いい曲も当然あるものの小粒な曲が大半を占め、それらがこのアルバムの印象を薄めてしまっている。まあ、ANTICONらしいといえばらしいが....よく分かりません。




HIPHOP MUSIC FOR THE ADVANCED LISTENER

Label: ANTICON (1999)

Production: Jel, Sixtoo, Moodswing9, Math, Anomoly, Signify, Alias


1. Propaganda (intro) - Dj Signify, Dj Mayonnaise
2. Rainmen - Deep Puddle Dynamics
3. Untitled - Buck 65
4. Interlude #1
5. Savior? - Slug, Eyedea, Sole
6. It's Them - Them
7. Interlude #2
8. Divine Disappointment - Alias
9. Meditations - Dj Signify
10. Human Races The Tortoise - Sole, Dose
11. My Little Habbit - Mr Surge
12. Nothing but Sunshine - Slug
13. Interlude #3
14. Martyr Theme Song - Sole, Moodswing9
15. Simulated Show - Sixtoo
16. Interlude #4
17. Holy Shit! - Buck 65, Sole, Circus, Sixtoo, Cosmic Lovefuck
18. Bright Moments - The Pedestrian

アメリカはとにかく広い。そんな分かりきった事を、このコンピレーションを聴いていて実感させられた。ヒップホップは好きだがどこにも居場所がない、そんな連中が集まって凄いコンピレーションを出した。ANTICONだ。

まず、ポッセカット。SLUG、SOLE、DOSE ONE、ALIASによるユニットDEEP PUDDLE DYNAMICSの"RAINMEN"は、シンプルなトラック上でのマイクリレーがドープ。RAKIMの一節を引用しながら登場するSLUGがやはり貫禄だ。そのSLUGのクルーRHYMESAYERSの若手EYEDEAが、正に地球上の物ではないイルなラインを聴かせる"SAVIOR?"、SHAPE SHIFTERSのCIRCUSが圧巻の"HOLY SHIT!"辺りがハイライト。

SEBUTONESとしても知られる、カナダのベテランBUCK 65とSIXTOOはそれぞれソロ曲を提供。2人ともマイクだけでなく、トラック面でも非凡なところを聴かせてくれる。ラッパーのDOSEとプロデューサーのJELによるユニットTHEMの"IT'S THEM"は、変則的なドラムの打ち込みと、それを至って自然に乗りこなすDOSEが凄まじい。駄目な人にはとことん駄目だろうが、一度ハマると病みつきに。ベストカットは、ALIASの"DIVINE DISAPPOINTMENT"だろう。神の視点からのライムと共に、ALIAS自身の手掛けるトラックもドープだ。ATMOSPHEREのSLUGといえば、その最大の魅力であるエモーショナルな語りを"NOTHING BUT SUNSHINE"でも堪能できる。両親の死についてのライム。SOLEの"MARTYR THEME SONG"は、彼の以前のグループLIVE POETSのDJ、MOODSWING9がドープなトラックを提供、SOLEも快調に飛ばしている。

ANTICONのサウンド面を担うDJ達によるインタールードもタイトで、スクラッチもいい味を出しているし(特別どうこういう程じゃないけど)、アルバムを一つにまとめるのに一役買っている。

とにかく、強烈なオリジナリティが全体に漂う、凄いコンピレーション。確かに癖が強い連中なので、拒否反応を示す人も多いかもしれないが、ヒップホップの本質を理解している人なら、虜になるだろう。彼らはただ”自分に正直”なだけだ。ヒップホップってそういうものでしょ?