LP/EP FUNNY FARM : FRENDS 4EVER
SINGLES MONEY MATTERS EP (7inch)



FUNNY FARM

Label: PEANUTS & CORN (2004)

Artist: PIPI SKID

Production: Mcenroe


1. Pip Skizzy
2. Funny Farm
3. Germ Warfare
4. Super Dope Producers
5. 5:20 AM
6. Jealousy
7. Beer Monster
8. These Colors Don't Run
9. Magnifique w/Mcenroe
10. Secrets
11. WMD
12. Alone Again
13. 8 Track Blues
14. My Two Dads

- ENHANCED CD
1. Pipi Cribs
2. Alone Again Video

名前にIが一つ増えたPIPI SKIDの、ソロでは2001年の"FRIENDS 4EVER"以来となるセカンド・アルバム。プロダクションは勿論MCENROE!

昔から政治的側面の強いリリックが目立つPIPI SKID、今回もイラク戦争絡みでアメリカ批判を繰り広げるだろう事は承知していたが、そうした楽曲("WMD"、"THESE COLORS DON'T RUN"など)よりも、孤独や疎外感、怒りといったどうにも出来ないフラストレーションを吐露する"JEALOUSY"、"ALONE AGAIN"や、定番とも言える労働階級の愚痴爆発ソング"5:20 AM"、現実逃避型アル中のテーマ曲"BEER MONSTER"のような楽曲の方が個人的には好みだ。潔癖症の男が主人公の"GERM WARFARE"などでは、彼らしいユーモアも。

全曲のプロダクションを担当したMCENROEは、当然のように安定した質の高さをキープしている。若干淡白になった感はあるが、PIPI SKIDの歯切れの良いエナジー溢れる力強いフロウには、MCENROEのトラック以外は考えられない。"8 TRACK BLUES"はタイトル通りブルージーなギター使いで、近年のMCENROEの音楽的嗜好が如実に表れていて興味深い。

去年のPEANUTS & CORNの驚異的なほど質の高いリリース群と比べると幾分か地味な印象は拭えないが、オリジナリティを確立したアーティストの強みというか、肩の力がいい感じで抜けた好アルバムだ。

蛇足だが、エンハンスト仕様にて収録されたPIPI SKIDが自宅を紹介するミニ・ドキュメンタリーは面白かった。素っ気無い部屋に並べられたレコードの中にSHINGO2が...




MONEY MATTERS EP

Label: PEANUTS & CORN (2002)

Artist: PIP SKID

Production: Mcenroe


1. Dink At The Bank
2. Math
3. Being Broke
4. The Heist
PIP SKIDの、金を題材にしたコンセプト・7インチ・シングル。

元々、歪んだ視点からの社会派ライムを持ち味とするPIP SKIDだけに、ここでも金に纏わる喜怒哀楽を独自の角度から切って見せてくれる。銀行への不満をブチまける"DINK AT THE BANK"とか、ユーモラスな"THE MATH"辺りは、いかにも彼らしい。貧乏暮らしを綴った"BEING BROKE"と、リッチになる夢をライムするベスト・カット"THE HEIST"は、セットでどうぞ。

PIP SKIDの持ち味が十二分に発揮された4曲。ファンタジックな"THE HEIST"は、無数あるMCENROE仕事の中でもベストの一つだし。




FRENDS 4EVER

Label: PEANUTS & CORN (2001)

Artist: PIP SKID

Production: Mcenroe, Soso, Graematter


1. Intro
2. Life Is 2 Easy Pt1
3. Life Is 2 Easy Pt2 w/Mcenroe
4. Towel Snap w/Gumshoe Strut
5. Hypochondriac
6. All Up In This Piece w/Epic
7. True Blue w/Recyclone
8. Crantinis At 15,000 Ft
9. Gun Lobby
10. Long Live Bruce Willis w/Recyclone, Kunga219, Gruf, Shazzam, Knowself
11. S.K.I.L.S.
12. Straight Jacket
13. Raggedy Anne
14. Dish Pig w/Mcenroe
15. Varycloseveins w/Unleavened
FERMENTED REPTILEのWICKED NUTことPIP SKIDのソロアルバム。PIP SKIDのラップを聞くと、3RD BASSのPETE NICEを思い出すのだが、歳がばれるね、こういう事言うと。ともかくPIP SKIDだ。

ライムの内容は政治的なというか、社会批判的な題材が主だが、無理矢理探してきたようなモノではなく、身近な内容である所に共感が持てる。悲しげなストリングスがドープな"HYPOCHONDRIAC"では健康問題、"TRUE BLUE"では人種問題を、"GUN LOBBY"はタイトル通り銃問題について歌い、、ポッセカット"LONG LIVE BRUCE WILLIS"では、シュワルツネッガーなどのアクション・スターを例に出して、ハリウッドのアクション映画が与える偏見、悪影響を指摘している。"テロリスト、移民が俺たちを殺そうとしてる!/ブルース・ウィルスよ永遠なれ!"皮肉の効いたサビが最高だ。MCENROEがマイクを握った"DISH PIG"では、低賃金でこき使われる皿洗いの視点から労働者階級の置かれている状況をライム。

P & Cの頭、MCENROEは、同レーベルからの作品の殆どの音を担当しているが、それはこのアルバムも例外ではない。独特の、ウッドベースを基本にしたクリスピーなドラム。カナダの霧深い森を思い起こさせるようなトラックで、ドープ。個人的には、"HYPOCHONDRIAC"と"LONG LIVE BRUCE WILLIS"の2曲がベストかな。情緒溢れる前者と、勢いのある後者、対極だがアルバムの方向を決定している。

ドープなトラックに、タイトなラップ、コンセプト。全体的に寒い冬の雰囲気というか、P & Cのほかの作品にも通ずる、どんよりとした天気のような空気が漂うアルバム。数あるP & Cレーベルのアルバムの中でも、特にお勧めの一枚だ。