LP/EP BLUE COLLAR SESSIONS : RAW MATERIAL



BLUE COLLAR SESSIONS

Label: ILL BOOGIE (2002)

Artist: MARS ILL

Production: Dust, Ohmega Watts


1. Intro-Progress
2. Live From Atlantis
3. 2 Steps
4. Redefine
5. The Siren Song w/Jax
6. My Coloring Book
7. The Badlands
ILL BOOGIEのEARPLUGシリーズの最後を飾るのは、MAN CHILDとDJ DUSTのデュオ、MARS ILL。

まず耳を捉えたのは、充実したプロダクションだ。アトランタでの生活を語る"LIVE FROM ATLANTIS"を皮切りに、"THE SIREN SONG"と"MY COLORING BOOK"でのハードでダークなトラックも良いが、境遇の違う3人の物語を通して人生を語る"2 STEPS"やMANCHILDのポジティヴなリリックの真骨頂が聴ける"THE BADLANDS"でのブルージーな肌触りが何とも心地良い。DUSTはこうしたトラックの方が得意のようだし、MANCHILDとの相性も良い。が、ベストはOHMEGA WATTSによる勢い溢れる"REDEFINE"だ。言う事なし。

結論としては、プロダクション/ラップ両面でデビュー・アルバムを凌ぐ充実した仕事を聴かせてくれていて、現時点での彼らの最高傑作だろう。ILL BOOGIE配給という事で手に入りやすくもなったし、MARS ILLにとってはこれが出世作となる事は想像に難くない。それにしても、このEARPLUGシリーズは、アーテストにとってもILL BOOGIEにとっても、非常に良い企画だった。今後も、これに続く新たな企画(フル・アルバム連続リリースとか)を是非お願いしたい。




RAW MATERIAL

Label: UPROCK (2000)

Artist: MARS ILL

Production: Dust, Scott Matelic, Freddie Bruce, Playdough


1. Mars Ill
2. Sphere Of Hip Hop, Pt.2
3. We'll Live Underground
4. Black Market w/Playdough
5. Love's Not w/Rahlo
6. Monotone
7. Unsound
8. Send A Man
9. Compound Fractures w/Sintax
10. Rap Fans w/Sharlock Poems
11. Sounds Of Music w/Rahlo, Sintax
12. Who Will Answer? w/Remnant Militia
13. Indulgent Instrumental #1
14. Try Again w/Adam Atkins
15. Touch And Go w/Sev Statik
16. Indulgent Instrumental #2
17. Sphere Of Hip Hop (original)
18. Fade To Black w/Sintax
19. Abolition Of The ManCHILD
日本のヒップホップ・リスナーにとって最も縁遠いのは、クリスチャン・ヒップホップと言われているモノだ。MAN CHILDとDJ DUSTのデュオ、MARS ILLは、そんなグループの中でも最も優れたグループの一つ。あからさまなキリスト賛歌はないものの、曲の端々に神に対する言葉が散りばめられている。それ程説教臭くもならず、この"RAW MATERIAL"はドープ・ビーツとライムが詰まったアルバムになっている。

ヴァラエティに富んだ19曲、質は高い。大物アーティストからのシャウト・アウトを交えた"MARS ILL"から、ヒップホップとは何たるかを語る"SPHERE OF HIP HOP"、ファンに捧げた"RAP FANS"、バトル・ライム"THE ABOLITION OF MANCHILD"まで、幅広いトピックをそつ無くこなしているが、”愛がどういうものかは知ってるけど/何が愛じゃないかを言った方が、上手く説明出来る”という"LOVE'S NOT"がドープだ。クリスチャンとしてのアイデンティティが最も如実に出ているのが、"TOUCH AND GO"だ。”曲を通して人生を語る時/俺らはマイクに触れ、キリストに触れる”、MARS ILLを象徴する一節だ。

相棒DUSTがほぼ全曲のプロダクションを手掛けている。"WHO WILL ANSWER?"での日本的なグルーヴが最も好みだが、シンプルなピアノ・ループが良い"MONOTONE"や"SOUNDS OF MUSIC"なども良い。SOLEなどを手掛けたSCOTT MATELICは3曲を提供、フルートも爽やかな"LOVE'S NOT"がベスト。

クリスチャン・ヒップホップと聞いていたのでもっと露骨な感じを予想していたのだが、意外に普通のヒップホップを展開している。その普通さが弱点でもあるのだが、良いアルバムではある。