LP/EP HISTORIES GREATEST BATTLES, CAMPAIGNS & TOPICS : THE ESSENCE OF...



HISTORIES GREATEST BATTLES, CAMPAIGNS & TOPICS

Label: FEMALE FUN (2003)

Artist: J. RAWLS

Production: J. Rawls


1. Hard Rock w/BJ Digby
2. The Black Brigade Of Cincinatti (outcome) w/Fat Jon
3. The Art Of War
4. Bobby Seale Bound And Gagged
5. Sixty-Three Is The Jubilee
6. Welcome To North Africa
7. February 14, 1929
8. A United Front
9. America, Fulfill Your Promise
10. The Polar Palms Of Moscow
11. Future w/Tavaris
オハイオのLONE CATALYSTSから、J. RAWLSのセカンド・ソロ・アルバム。FAT JONとのユニット"3582"以降、FAT JONだけでなく、彼への評価も上がると踏んでいたのだが、どうもそうはならなかったようで、ここ日本では黙殺されたままの感が強い。確かにFAT JON程の新しい感触はJ. RAWLSのトラックからは感じ取れないが、そこには本物のソウルがある。

前作と違い、今回はインスト・メイン。話題性って事で言えば、やはりFAT JONがフルートで参加した"THE BLACK BRIGADE OF CINCINATTI (OUTCOME)"が一番だろう。ド渋なピアノ・ループが、FAT JONが演奏する流れるようなフルートの音色を際立たせる極上のインストゥルメンタルに仕上がっている。以降も、ストリングス・サンプルをフリップした"THE ART OF WAR"のようなシンプルなモノから、メロデアスな前半から一転、躍動感溢れる中盤以降への展開がドープな"SIXTY-THREE IS THE JUBILEE"や、レイドバックしたフュージョンなループがゆったりと漂う中を、荒々しいドラムスとギターがアクセントを付ける"FEBRUARY 14, 1929"のようなモノまで、素朴ながら実に多弁なインストゥルメンタルが並ぶ。インタールード的な小品も良いし、J. RAWLSらしさみたいなモノは"AMERICA, FULFILL YOUR PROMISE"に、数々のヴォーカル・サンプルが象徴する政治的なメッセージは"WELCOME TO NORTH AFRICA"に、それぞれ集約される。

2曲あるヴォーカル・トラックのうち、BJ DIGBYなるMCによる"HARD ROCK"は妖艶なトラックがドープだが、R& BグループTAVARISがコーラスを聴かせる"FUTURE"は、今一つミス・マッチだったように思う。唯一の捨て曲。

地元の小学校の教師も勤めているというJ. RAWLS、なんとも暖かいアルバムになっているのはそのせいだろうか。彼の持ち味が十二分に発揮された、充実したアルバムである。




THE ESSENCE OF...

Label: GROOVE ATTACK (2001)

Artist: J. RAWLS

Production: J. Rawls


1. What You Want Is?
2. Superhero w/Mass Influence
3. Birds Of A Feather w/Top Emcees (j sands, heimy d) 4. Elegy (in 3 pts) w/Rubix
5. Great Live Caper w/J. Live
6. Meniscus w/Dose One, Fat Jon
7. Blue #2 w/Home Skill
8. Cold Turkey w/Capital D, Mr Greenweedz
9. Far Away w/Apani B. Fly, Mr Complex
10. Lone Catalysts (rmx) w/Lone Catalysts
11. Check The Clock w/Grap Luva, J Sands
12. Nommo w/Asheru
13. They Can't See Me
14. Blue #2 (reprise) w/Saxophone by Charles Cooper
相棒のMC、J. SANDSとのグループLONE CATALYSTSでの活動や、レーベルB.U.K.A. ENT.のトップとしてシンシ ナティのシーンを盛り上げ続けるプロデューサー、J. RAWLS。

アトランタからMASS INFLUENCEを招いた"SUPERHERO"は、うねるベースラインがドープな重量級のトラック。彼らが善玉を演じ、悪役となるワックな連中をなぎ倒してゆく。相棒J. SANDSとHEIMY Dの"BIRDS OF A FEATHER"は、メロウなギターとヴォーカル・サンプルが心地よい、スムースな逸品。中盤のブレイクダウンに飛ばされる。RUBIXがMCの何たるかを語る"ELEGY"に続くJ. LIVEの"GREAT LIVE CAPER"が、前半のハイライト。勢いのあるギター・ループ、サビのヴォーカル・サンプル、ストリングス、全てが最高にドープ。最高のトラックを得たJ. LIVEも、ジム帰りの一夜の物語を調子よく聴かせてくれる。シンシナティでキャリアをスタートさせたDOSE ONEと、一躍人気プロデューサーとなったFIVE DEEZのFAT JONがマイクを握った"MENISCUS"は、このアルバム中でも異色の一曲。不気味なループの上で、DOSE ONEがいつもと比べてオーソドックスなデリヴァリーを聴かせている。"BLUE #2"は、メロウでジャジーな極上のトラック。サックスが途轍もなく美しく、ウットリする。HOME SKILLには悪いが、声が流れてゆく。シカゴのFAMILY TREEクルーから、CAPITAL DとMR GREENWEEDZが参加した"COLD TURKEY"はピアノ・ループだが、少し弱いかな。心地よい"FAR AWAY"には、ニューヨークからAPANIとMR. COMPLEXがライムをスムースにキック。女性ヴォーカルが遠くへと運んでくれる。"LONE CATALYSTS"は、タイトル通りJ SANDSとのユニットLONE CATALYSTSによる一曲。フィリーソウルのような透き通ったトラックが良いパーティー・チューン。J. RAWLS自身もラップしている。J. SANDSにGRAP LUVAが加わった"CHECK THE CLOCK"の、ドラムとループのミスマッチは頂けないが、ワシントンD.C.からASHERUがUNSPOKEN HEARDを代表してマイクを握った"NOMMO"では、そこはバッチリ。続く"THEY CAN'T SEE ME"は、J. RAWLSがソロでラップも担当。ラッパーとしての彼は、水準かそれ以下といった印象。アルバムを締めくくる"BLUE #2 (REPRISE)"については....言わなくても分かるでしょ?

ジャジーでソウルフルなトラックが彼の持ち味なのだが、洗練された感じではなく、ある種の泥臭さに満ちていて、 サンプリング・ミュージックとしてのヒップホップの魅力を再確認させられる。このアルバムで使われた心地よいグルーヴの 数々の裏にあるであろう、膨大なレコード・コレクションが見えてきそうだ。