LP/EP ENCORE : THE EMINEM SHOW



ENCORE

Label: AFTERMATH (2004)

Artist: EMINEM

Production: Eminem, Dr Dre, Mark Batson, Mike Elizondo


- DISC 1
1. Curtains Up
2. Evil Deeds
3. Never Enough w/50 Cent, Nate Dogg
4. Yellow Brick Road
5. Like Toy Soldiers
6. Mosh
7. Puke
8. My 1st Single
9. Paul (skit)
10. Rain Man
11. Big Weenie
12. Em Calls Paul (skit)
13. Just Lose It
14. Ass Like That
15. Spend Some Time w/Obie Trice, Stat Quo, 50 Cent
16. Mockingbird
17. Crazy In Love
18. One Shot 2 Shot w/D-12
19. Final Thought (skit)
20. Encore w/Dr. Dre, 50 Cent

- DISC 2
1. We As Americans
2. Love You More
3. Ricky Ticky Toc

EMINEMの4作目。

前半に良い曲が揃っていて、一安心といったところ。自叙伝"YELLOW BRICK ROAD"、彼を取り巻くビーフ騒ぎに答える"LIKE TOY SOLDIERS"、反ブッシュ・ソング"MOSH"といった佳曲が並ぶ。これらの曲では、前作リリース以降EMINEMの周辺で起きたビーフ騒ぎや人種差別テープ発覚事件について率直にライムしている。

が、中盤以降ははっきり言って退屈だ。元嫁キムに罵詈雑言を浴びせる"PUKE"や"CRAZY IN LOVE"にはいい加減食傷気味だし、"MY 1ST SINGLE"から"ASS LIKE THAT"に至っては、スキット込みで7曲に渡ってひたすらクリストファー・リーブやヒラリー・ダフ、ジャスティン・ティンバーレイク、オルセン姉妹、そしてマイケル・ジャクソンなどをコケにする。とはいえ後半には数曲良い曲が残っていて、娘へイリーへの思いを切々と語る"MOCKINGBIRD"などはお約束だが少なくともD-12と一緒にギャングスタぶってるよりは全然良いし、御大DR DREが渋い所を聴かせる"ENCORE"は、アルバムを締めくくるのに相応しい佳曲だ。

トラック面は、前作より充実している。変に”狙った”のは"JUST LOSE IT"とHEARTをモロ使いした"CRAZY IN LOVE"ぐらいなもので、前述したように全体的に抑えた出来で気に入った。クレジットはEMINEMとDR DREで分け合っていて、どっちが手掛けた曲も同じフォーミュラで構成されているため、アルバムを通して一貫した雰囲気を保っている。

基本的に、前作"THE EMINEM SHOW"をなぞったような内容。"SLIM SHADY LP"や"MARSHAL MATHERS LP"の頃のスリルはないし、前作に続いて70分を越えるボリュームには頭を傾げたくなる。中盤をごっそりカットして、ボーナス・ディスクに収められた3曲を差し替えた方が、全体的にソリッドなアルバムになったであろう事は明白だ。




THE EMINEM SHOW

Label: AFTERMATH (2002)

Artist: EMINEM

Production: Eminem, Dr Dre, Jeff Bass


1. Curtains Up
2. White America
3. Business
4. Cleanin Out My Closet
5. Square Dance
6. The Kiss
7. Soldier
8. Say Goodbye Hollywood
9. Drips w/Obie Trice
10. Without Me
11. Paul Rosenberg
12. Sing For The Moment
13. Superman w/Dina Rae
14. Hailie's Song
15. Steve Berman
16. When The Music Stops w/D-12
17. Say What You Say w/Dr Dre
18. 'Til I Collapse w/Nate Dogg
19. My Dad's Gone Crazy
20. Curtains Close
別人格SLIM SHADYの毒々しい世界が新鮮だった"THE SLIM SHADY LP"、自らの人生に対する憤りを包み隠さず吐き出した"THE MARSHAL MATHERS LP"。今回初めてEMINEMというMCネームをタイトルに冠したアルバムをリリース。だが、そもそもSLIM SHADYとMARSHAL MATHERSが同居していたのがEMINEMというペルソナだったわけで、結果的にどっちつかずの中途半端なアルバムになってしまった。

典型的なEMINEM節を聴かせる"WHITE AMERICA"(”俺が黒人だったら、半分も売れてない”)に始まり、相変わらず母親に対して悪態をつく"CLEANIN OUT MY CLOSET"、名声に戸惑う"SAY GOODBYE HOLLYWOOD"、娘ヘイリーに捧げた"HAILIE'S SONG" 等の前作で顕著だったパーソナルなリリック、J.D.やCANNIBUSに対する強烈なディス"SAY WHAT YOU SAY"など、EMINEMの真髄とも言える歯に衣着せぬ毒々しいユーモア溢れるリリックはオリジナルだし、ドープ。

EMINEM本人が大半を手掛けるプロダクションも良い。"SQUARE DANCE"や"HAILIE' SONG"、"'TIL I COLLAPSE"は特に気に入ったが、DREが手掛けたとしか思えないこれらのプロダクションを聴くと、どの程度本人がやっているのかは疑問だが。そのDREも、シンプルな"SAY WHAT YOU SAY"や"MY DAD'S GONE CRAZY"等で余裕の仕事振り。

逆に、平凡な"BUSINESS"や"SOLDIER"、自己パロディーに成り下がった"WITHOUT ME"、やりすぎ感満載のAEROSMITHのカヴァー的な"SING FOR THE MOMENT"など、失望させられる曲も少なくない。女ネタ"DRIPS"と"SUPERMAN"辺りは、明らかに余計。

決して悪いアルバムじゃないのだが、駄曲の多さが全てを台無しにしているように思えてならない。全体的に、焦点がぼやけてしまった。大体、77分も入れる必要があったのか疑問だ。何曲か削って、タイトにまとめればもう少し違って聴こえただろうに残念。