LP/EP ATOMIK AGE : ELEMENT 113 : WHAT WORLD YOU FROM



ATOMIK AGE

Label: SUNSET LEAGUES (2002)

Artist: ELON.IS

Production: Elon.Is


1. Somewhere (intro)
2. Minutes Tick/Time Piece w/Disflex 6, Halekost
3. Rock That w/Z-Man
4. Collecting Thoughts pt. II
5. Hate Maker w/Dublin
6. Outlet w/PBS
7. Old Friends w/Ehnertia
8. Fever w/Sunset Leagues
9. Laymen's Poem (2000 mix) w/Luckyiam PSC
10. Horseshoes & Handgrenades w/Argonaut
11. As If
12. Risky
13. Halloween w/Mercury
14. Last Dance w/Capsize
15. Us (outro)
ELON.ISのプロフェッショナル・プレスによるニュー・アルバム。様々なゲストMCやスッキリとまとまったアートワークなど、気合の入り方が違うようで、これが本格的なデビュー作と言ってしまっても良いかも。

さて、主役のELON.ISのプロダクションだが、これがかなり進歩していて驚かされた。多用されるヴァイオリンなどの弦楽器ネタは独特だし、ただダークなだけでなくある種神秘的な奥行きを演出している。律儀なまでに淡々とリズムを刻むへビーなドラムは、相変わらず麻薬的。インスト曲はどれも良いが、空を覆う分厚い雲の隙間から差し込む一筋の光のような"US (OUTRO)"は、重苦しい空気で統一されたアルバムを最高の形で締めくくる。

アルバムの黙示録的なコンセプトを最も体現しているのが"HATE MAKER"。都会に巣食うゴブリンの呟きの様なリリックに説得力を持たせるDUBLINのデリヴァリーは面白い。要注目のMCだ。他には、ELON.ISも所属するクルーSUNSET LEAGUESのMC達をフィーチャーした"FEVER"や"MINUTES TICK/TIME PIECE"など、聴き所は多い。

"ROCK THAT"や"HORSESHOES & HANDGRENADES"のような駄曲もあるが、全体的に見るとこれまでの作風を維持しつつ確かな成長を感じさせる事に成功したアルバムと言える。優れた作品を多くリリースしながらも、今一つ流れを作り出せずにいるSUNSET LEAGUESの底上げのためにも、著名なゲストMCを多数招いた次回作をお願いしたい。




ELEMENT 113

Label: SUNSET LEAGUES (2000)

Artist: ELON.IS

Production: Elon.is


1. Breathing
2. Zero Gravity
3. Below Sea Level
4. Enterlude
5. Mind Sipping Water
6. Patience/Temptations
7. Expertmental
8. Path To Take
9. Emotions '97
10. Roots
11. My World Your World
サンフランシスコはSUBSET LEAGUESから、ELON.ISのセカンド・ソロ・アルバム。2年の時を経て、どれほどの進化が見られるのかが興味深かったが、基本的に前作の路線に忠実な出来だ。

漂うようなホーンや深いリヴァーヴは前作のトレードマークとも言えるほど印象的だったが、相変わらずなイントロをフォローする"ZERO GRAVITY"や"PATIENCE/TEMPTATIONS"を聴く限り、本作が基本的に前作の延長線上にある事は明らかだが、チープなエレクトロニカといった感じの"ENTERLUDE"や"MY WORLD YOUR WORLD"辺りは、進化と言えなくもない。リアルタイムで打ち込んだかのようなドラムが揺れを生み出す"EXPERTMENTAL"も催眠的だし、前作からの続編"EMOTIONS '97"もほぼビートレスで進む前半部分が圧倒的に面白い。とはいえ、ベスト・トラックはタイトなドラムが確かなビートを刻む"ZERO GRAVITY"。このドラム、堪りません。

前作を気に入った人には、期待通りのアルバムだろう。全体の質が落ちているのも確かだが、前作よりも色々と試みている辺りは、今後に期待出来る。




WHAT WORLD YOU FROM

Label: SUNSET LEAGUES (1998)

Artist: ELON.IS

Production: Elon.is, 3Cardmonte


1. One Dope Intro
2. A New Tribe
3. Confirmation
4. Collecting Thoughts
5. Emotions
6. Special Announcement
7. Daily Grind
8. Protection
9. Wired Papers
10. Traveler
11. Heaven Or Hell?
12. Futura
DISFLEX 6などにビートを提供しているELON.ISのインスト・アルバムだ。サンフランシスコ・シーンでの活発な活動で確固とした地位を築いた感のあるSUNSET LEAGUEクルー。その屋台骨を支えるELON.IS、本作でもいいビートを揃えている。

正直言ってあまり個性の無いELON.ISのトラックだが、個人的には非常に好きだ。幻想的な"ONE DOPE INTRO"はオープニング・トラックとして最適だし、特に凝ったプログラミングや展開は望めない"A NEW TRIBE"辺りも、淡々と打ち込まれた確実なドラムが中毒性を高めている。漂うようなホーン・ネタや深いリヴァーヴが、全編にそこはかとなく流れるダルーい空気を強調していて、くせになる。"FUTURA"に映画ブレード・ランナーの台詞がサンプリングされている事からも分かるように、アルバムを通してダークで近未来的なビートが満載だが、そういったビートによくある退廃的な空気があまり感じられないのは、サンフランシスコの乾いた気候が関係しているのだろうか。独特の雰囲気を醸し出している。エスニックな展開を見せる"TRAVELER"が個人的には気に入っている。

アルバムを聴き終えて、アメリカでは音楽がどれほど生活に密着しているかを思い知らされた感じだ。文字通り手作りの、生活の中から生まれた音楽。街に生きる人々の息遣いを感じるようなこれらのビートは、ウォークマンで街を徘徊しながら聴いてこそイキイキとしてくる。ストリート・ミュージック。