MOVIES FOR THE BLIND

Label: EASTERN CONFERENCE (2002)

Artist: CAGE

Production: Mighty Mi, J-Zone, Necro, Rjd2, El-P, Rush, The Ghetto Pros, Camu Tao


1. Morning Dips
2. Escape To 88
3. The Left Hand Path
4. Teenage Death
5. Too Much
6. In Stoney Lodge
7. Probably Causes Paranoia
8. The Soundtrack
9. Among The Sleep
10. Agent Orange
11. A Suicidal Failure
12. CK Won
13. Unlike Tower 1 w/Mr. Eon, Copywrite
14. Under Satan's Authority
15. A Crowd Killer
16. The Right Out
17. Holdin' A Jar 2
18. Pussy Money War w/Copywrite
COPYWRITEのデビューアルバムに続いてEASTERN CONFERENCEから、新世代変態病気MC(元祖は勿論KOOL KIETH)の代表格とも言える真打ちCAGE、待望のアルバムが遂に。ジャケットの元ネタが分かる類の人間には、堪らないアルバム。

CAGEといえば、まずはクラシック"AGENT ORANGE"だ。もう5年も前の曲だし、CAGEのフロウも若さを感じさせるが、それでも”時計仕掛けのオレンジ”のアレックスになりきってライムしたこの曲のドープネスは、少しも色褪せていない。”人は言う、彼の脳は悪魔に憑かれていると...”というフックがこれほど似合うMCもそういないよね。彼のライムは確かに暴力的で陰湿だが、独特のユーモアを滑り込ませることによって、リスナーを飽きさせない。義父を殺す様を描いた"THE SOUNDTRACK"や自殺に失敗した者達のストーリー"SUICIDAL FAILURE"、精神病院に入ってみせる"IN STONEY LODGE"、彼が見た奇妙な夢を描写する"AMONG THE SLEEP"まで、類稀なストーリーテリングとユーモラスなパンチライン、オリジナルなフロウが冴え渡っている。極めてシネマティックだ。"A CROWD KILLER"に代表される強烈なバトル・ライムに関しては、言う必要はないでしょ。

アルバム唯一のマイナス点は、MIGHTY MIの手掛けたモノに平凡なトラックが多い事だろう。特に、"CK WON"はチョット...。"A SUICIDAL FAILURE"や"CROWD KILLER"が良い出来なだけに、勿体無い。アルバムの質を著しく損なう程ではないけど。

それでもこのアルバムは、CAGEという当代随一のMCの才能を堪能できるエンターテイメントなアルバムに仕上がっている。圧倒的なフロウ/デリヴァリーに支えられた、毒々しいCAGEの世界がたっぷり。